臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
診断篇
VIII.中枢神経系疾患の診断技術
4.脳波の周波数分析
佐藤 謙助
1
1長崎大第2生理学
pp.1768-1773
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206894
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脳波の自己回帰性
ひとつの脳波の平均値からの変位が時点tでy(t)とする.これを適当な間隔Δt毎に十分多いN個測り,時点t-kΔtではyt-k=y(t-kΔt),(k=0,1,2,…)とし,分散をσy2=E〔y2t-k〕とする.ここで,E〔〕は括弧内の平均を示す.
脳波に限らず,心臓,呼吸,血圧,血流,神経,筋,種々の腺などその他の生体系の活動現象は過去から現在,さらに未来へと死の直前まで継続している.そして,刻々の現象の状態は,それ以前の活動状態の歴史に関連する部分と,しない部分とから成るが,通常,あまり遠い過去の状態とは関連しない.それで,ytはそれ以前の,たとえばM個の値yt-m,(m=1,2,…,M)との関連度amをかけたamyt-mと,関連しない偶発量ntとの総和
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