診療メモ
呼吸器疾患における視診のポイント
金上 晴夫
1
1金上クリニック
pp.1688
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206872
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1)顔面の腫脹:頸から顔にかけて赤く腫脹している所見は上大静脈が圧迫されている所見として重要である.この場合の腫脹あるいは浮腫は頸静脈の怒張を伴い,顔面の発赤を伴うので,腎炎の浮腫が一見蒼白なのに比べて区別できる.悪性腫瘍,とくに肺癌や縦隔リンパ節の転移を疑う所見である.
2)女性乳房:男性の乳部が女性のように肥大したもので乳首がかたい.阿部によれば高齢者の男性で女性乳房を訴えて来院した症例109例中,胸部X線検査の結果20例(25%)に肺癌を認め,また肺癌267例中,女性乳房の合併が7.5%であったと報告しているので,肺癌を疑うべき重要な所見である.女性乳房があって胸部X線写真で異常陰影を認めたら肺癌を疑って精密検査をすべきである.
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