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綜説
前房隅角視診法
Gonioscopy
金田 招重
1
1熊大眼科
pp.1147-1155
発行日 1954年12月15日
Published Date 1954/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202040
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1.前房隅角視診法の理論と実際
角膜の屈折率を1.37とするとその臨界角は約46°となり前房隅角からでる光線は大部分角膜表面で全反射してしまう。それで普通の状態では前房隅角をみることが出来ない(第1図)。前房隅角をみるためには角膜の上に屈折率が角膜に等しい物質を密着させて前房隅角からの光線が角膜を通過しうるようにしなければならない。そのためには昔から色々な方法が考えられている。例えばわが国において水尾氏1)は眼球を下転させて下眼瞼を少しくひき,下方結膜嚢に食塩水を満して下方隅角からの光線を外にみちびいて下方隅角の観察を行つた(第2図)。対称をえらぶならばこの方法は可成り有用と考えられるが,絶えず食塩水を追加しなければならないこと,また下方隅角以外の隅角の観察がむつかしく,しかもみとめられる隅角像が明瞭でない等の欠点があるためあまり応用されていない。わが国ではこの他に小柳氏2)が一種の隅角鏡を試作されて隅角所見について簡単な記載をされた。水尾,小柳両氏のこの業績は前房隅角視診法発展の歴史上からみると初期のものに属し,その着想はすぐれていたのにその後の進展をみなかつたのは惜しい。
現在では種々の前房隅角視診用の接眼レンズ或は接眼プリズムが作られている。例えば第3図のような接眼レンズ(Koeppe氏やTroncoso3)氏の接眼レンズはこの型に属する)が作られている。
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