臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
診断篇
II.消化器系疾患の診断技術
2.低緊張性十二指腸造影法
大久保 忠成
1
1済生会中央病院内科
pp.1645-1649
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206859
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原理
十二指腸は膵胆道系と隣接し,これと密接な関係を有するので,これらの隣接臓器の病変によってしばしば形態の変化を生ずる.しかし,十二指腸は活発な蠕動を伴うので,一般の上部消化管撮影法ではその変化をとらえることがむずかしい.Jacquemetら1,2)は1963年,アントレニールを用いて蠕動と緊張を抑制した十二指腸を選択的に造影し,その微細変化を読影して膵胆道疾患の診断に役立てることを考案し,これを低緊張性十二指腸造影法と名付けた.この方法は手技が比較的簡便なため広く用いられるようになったが,とくにVater乳頭部,膵頭部の病変の診断に適している.
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