特集 図説 胃と腸用語集2012
検査法・手技
低緊張性十二指腸造影(hypotonic duodenography)
芳野 純治
1
,
乾 和郎
1
1藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科
pp.637
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113245
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低緊張性十二指腸造影法は十二指腸の二重造影像を主体として,十分に伸展した蠕動がみられない状態で撮影し,十二指腸の辺縁の変形,粘膜面のみだれを描出する.腹臥位と仰臥位の両者で,十二指腸の粘膜面を鮮明に描出するため,胃の造影剤と重ならないように撮影する.Vater乳頭部の描出は病変の位置を表す指標となり,腹臥位第二斜位で正面像として表れることが多い(Fig. 1).
撮影方法には有管法と無管法がある.有管法は十二指腸のVater乳頭部付近までゾンデを挿入し,造影剤,空気を注入し鎮痙剤により蠕動を停止させて撮影する.有管法は造影剤の量,空気量を加減することができるが,ゾンデの挿入が必要なことやゾンデが病変と重なり読影しにくいことがある.鎮痙剤の注入は蠕動を明確に停止するために静脈投与が主として行われるが,その効果は長くないため迅速に撮影を行う必要がある.
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