臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
診断篇
II.消化器系疾患の診断技術
3.腸吸収機能検査法
朝倉 均
1
1慶大・内科
pp.1650-1655
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206860
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
腸吸収機能検査は,食餌内容や量に問題がないのに体重減少や下痢(下痢のない吸収不良もある)を呈したとき,その消化吸収障害の程度と種類をみるため,経口的に各種物質の負荷を行って消化吸収状態を知る検査である.したがって,種々なる栄養物があり,またそのひとつの栄養素の消化吸収状態をみるため種々なる方法があるので,表1に主な検査法をあげてみた.
3大栄養素としての蛋白質,脂質,糖質の消化吸収試験はいろいろあるが,糞便中の蛋白質,資質,糖質のすべてが不消化非吸収性残存食物というわけでなく,胃液,胆汁,膵液,腸液中には種々の消化酵素,脂質なども含まれ,さらに重要なことは胃や腸などの上皮細胞が半減期2~5日という速い代謝で消化管内に剥離してくるし,また,蛋白漏出性胃腸症などの病態もあり,それらの内因性蛋白や脂質という複雑な因子も加わり,いろいろな簡便法が考えられている.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.