私の失敗例・忘れられない患者
老女の腰巻
佐藤 安正
1
1井口整形外科病院
pp.1330
発行日 1976年9月10日
Published Date 1976/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206762
- 有料閲覧
- 文献概要
医師免許を受けてから今日まで誤診・誤療の経験は,数え切れないほどであるが,幸いにも,いまだ医事紛争にまきこまれたことは一度もない.
一般に,外科医というものは,術前に診断がつかなくても,手術という直接的な手段によって,最終的には誤診をまぬがれることが多いために,内科医ほど診断確定にこだわらない傾向があるように思う.このことは,手術時期を失わないという利点もあるが,診断の手順に手を抜きやすいという欠点にもつながるようである.この最もよい例が,急性腹症であろう.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.