連載 読むことと旅すること 人との出会いに魅せられて・12【最終回】
「私は私」悠然と微笑む老女―女優キャサリン・ヘップバーンの魅力
服部 祥子
pp.258-259
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101829
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秘蔵の本ほど旅をして返ってこないものです。最近どうしても懐かしくなり、再度手に入れ、大喜びをした本があります。『キャサリン・ヘップバーンのプライベートな世界*』という英語版の写真集です。キャサリン・ヘップバーンについては熱烈な思いを込めてあちらこちらで書いたり語ったりしてきましたが、この写真集は老いを迎えた今、私の手元にぜひ置いておきたい本です。
キャサリン・ヘップバーン(1907~2003)は、若いころから美人というより頬骨が高く、目の光の強い独特の魅力あふれる容貌の持ち主でした。卓抜した演技力と持ち前の強い意志力でハリウッド映画界を悠々と生き抜き、史上最多の4度のアカデミー主演女優賞を手にしました。その内の3つは、何と六、七十代の老年期になってからの受賞です。
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