M.S.W.の目
嫁への不満と老女の胃腸疾患
中島 さつき
pp.64
発行日 1969年5月1日
Published Date 1969/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917598
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菊さんは家にいると吐いてばかりいて非常に苦しい。家から一歩外に出ると気分が楽になり,病院に入院中は具合がよくて天国にいるようだが,自宅へ帰るとまた吐いたり食べられなくなったりして,同じ状態をくり返す。毎年,冬になるとどうしても入院しなければならなくなって,もう3年目である。
以上のことで総合病院の主治医から,医療ソーシャルワーカーのもとへ紹介されてきた。SW(ソーシャル・ワーカー)のWさんが患者に会って話をきくと,次のことがわかった。菊さんの実家は3代婿とりで,菊さんも田畑の自分の分け前をもらってから,分家し結婚した。姉と2人で経済的に楽だったせいか,比較的わがままに育った。
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