今月の主題 腎不全の病態と治療
代謝面からみた病態
カルシウム代謝
大野 丞二
1
,
大原 憲一
1
1順大内科
pp.474-475
発行日 1976年4月10日
Published Date 1976/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206504
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慢性腎不全患者に骨変化をきたすことは古くから知られている.最近,血液透析の普及に伴い,慢性腎不全患者の長期間生存が可能となってきており,腎不全時のCa代謝異常の問題はますますその重要性を増している.ヒトの血清Caレベルは主に副甲状腺ホルモン(PTH),ビタミンDそれにカルチトニンにより厳密に維持されている.そして腎不全時においてはPTH,ビタミンDがその中心的役割をはたしている(図1).近年,ビタミンDの代謝に関する研究は目ざましいものがあり,ビタミンD3の最終活性産物や,そのanalogの合成も可能となり,それらの臨床応用も始められてきている.
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