今月の主題 胆道疾患—診療の実際
胆のう癌と胆管癌
胆石と胆のう癌の関係
水戸 廸郎
1
,
関口 定美
1
1旭川医大第2外科
pp.214-215
発行日 1976年2月10日
Published Date 1976/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206422
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本邦の胆嚢癌による年間死亡者数は,ほぼ1,500人といわれる.一方,胆嚢癌の診断のもとに外科治療を受け,5年以上の生存例は昭和45年の春までの全国集計1)で14例,その後の報告例を追加しても20例にみたない.欧米の文献報告でも2),5年生存率は1.7〜6.7%にすぎない.これらの事実は胆嚢癌の診断,治療の困難性を如実に示すものであり,応急的対応策と早期診断法の開発および治療法の確立が最も望まれる分野のひとつである.また,"応急的対応策"なる漠然たる表現を用いなければならないところに胆嚢癌治療の悩みがある.
現在,対応策として是非を論じられているのが予防的胆嚢摘除術であり,その根拠は胆嚢癌と胆石の密接な関連性にもとずいている.
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