今月の主題 手術適応の問題点
他の治療法との関係からみた手術適応
胆のう炎
亀田 治男
1
1慈大第1内科
pp.1284-1285
発行日 1974年10月10日
Published Date 1974/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205609
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胆石症の手術適応については種々の面からの検討が重ねられてきたが,なお必ずしも多くの意見が一致しているとは限らない.しかし胆のう炎を伴う胆石症については,積極的に手術をすべきだとの見解が大勢を占めている.胆石症の手術適応以上に不明確なのが胆石を伴わない胆のう炎,いわゆる無石胆のう炎の手術適応であろう.
とくに胆のうの穿孔や蓄膿などの合併症を伴ったり,進展増悪傾向の明らかな症例は別として,通常の胆のう炎は,化学療法をはじめとする他の治療法によって一応改善することが多い.この緩解をもって治癒したと考えるか,あるいはまた将来の再燃や合併症の出現を予想するかによって,手術適応の考え方にも自ずから差異が現われる.またこの決定には,他の治療法の効果如何が問題になるはずであり,この面からの検討が必要となる.
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