臨床病理医はこう読む
血清蛋白分画像(6)
河合 忠
1
1自治医大臨床病理
pp.1128-1129
発行日 1975年6月10日
Published Date 1975/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206101
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急性相反応型血清蛋当分画像
血清総蛋白濃度はやや低値を示すが,この症例のパターンでまず目立つのはalb分画の著減,α1およびα2分画の明らかな増加である.alb分画の減少はほとんどすべての病態で減少を示し,体組織への侵襲が大きいほど,また病態が長びくほどその低下も著しくなる.α1分画とα2分画がともに明らかに増加する場合は,活動性の炎症病変が存在する時にみられ,α糖蛋白(α1抗トリプシン,ハプトグロビン,など)の増加による.本症例ではCRP試験6+,発熱,関節痛を訴えてSLEの増悪期と診断された,このように,alb分画の減少,急性相反応物質acute phasere actants(α糖蛋白,フィブリノゲン,CRPなど)の増加を伴う病態を総称して急性相反応型分画像と呼び,活動性炎症病変に伴って認められる.
β分画は主としてトランスフェリンによって占められ,血清アルブミン減少とほぼ同じような病態で減少傾向を示す.
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