超音波診断の読み方
肝疾患
福田 守道
1
1札幌医大癌研内科
pp.1100-1104
発行日 1975年6月10日
Published Date 1975/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206093
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パルス波超音波を使用し,その反射波をとらえて行う超音波診断法は診断機器の改良,検査技術の検討により最近長足の進歩が認められ,現在肝のみならず胆道系,脾など上腹部臓器疾患の診断法として不可欠の武器となりつつある.とくに肝のように,音響学的に比較的均一で巨大な実質性臓器は本診断法の最も好適な対象と考えられる.
本法の手技自体は極めて簡単で,探触子(プローブ)を,診断を行おうとする体表面にあて,一定の走査線上を滑らす,すなわち用手接触複合走査法を行い,描かれる断層像(B-mode法)を記録,判定するのであるが,画像を読んで診断を下すためには,最低限度,走査断層面についての局所解剖学的知識およびある程度の音響物理学に関する理解が必要である,また精度の高い診断を行うためには,多面断層法,感度断層法を併用し,病変の臓器診断,拡がり,音響学的特性を把握するように努めると同時に,装置の条件についても十分検討を加え,最適の感度,解像度を得るように調整する必要がある.
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