今月の主題 血液ガスの基礎と臨床
血液ガスの臨床
心疾患
中西 淳雄
1
,
奥田 佳久
1
1濁協医大循環器内科
pp.184-186
発行日 1975年2月10日
Published Date 1975/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205778
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はじめに
我々が日常の臨床検査で取り扱う血液ガスはO2およびCO2が主体である.その他特殊な場合にはN2を問題とすることもあるが,今回はそれを省略する.
血液は肺と体組織の間の媒体と考えられるから,これらのガスの含量および分圧は臨床的に心肺機能の指標として重要な意義を持つ.体組織に供給されるO2量は血中に存在するO2の含量とそれに流入する血液量によって決まる.心疾患患者において,たとえ低O2血症(anoxemia)があっても,血液量が多ければ,その影響は比較的少ないが,血流量が減少すれば大きな被害を蒙る.さらに貧血や代謝の亢進するような病態が合併すれば低O2血症の危険は倍加する.
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