Japanese
English
特集 産科合併症・2
妊娠と心疾患
Pregnancy and heart diseases
小林 太刀夫
1
,
伊藤 良雄
1
,
奥田 佳久
1
,
沢田 美智子
2
Tachio Kobayashi
1
,
Yoshio Ito
1
,
Yoshihisa Okuda
1
,
Michiko Sawada
2
1東大第四内科教室
2東大医学部大学院保健学科
pp.505-509
発行日 1966年7月10日
Published Date 1966/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203506
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
心疾患のある女性の妊娠が全体の妊娠の内でしめる割合は,0.4%(宿輪,蘇)1),1.3%(Ehren—feld et al.)2),0.54%(Dieminger und Graefe)3),2%(加来)4)と大約100人の妊婦に1〜2人の心疾患者がある。妊娠が母体の心疾患の経過にいかなる影響を及ぼすか,また,心疾患が妊娠にいかなる影響を及ぼすかは,内科・産婦人科の立場からそれぞれ多くの研究・考察がなされて来た。しかし,心疾患ある婦人にとつて,妊娠・分娩が無事に終りさえすればよいというものではなく,分娩は直ちに育児の問題とつながり,心疾患を有する既婚婦人の管理にあたるものとしては,育児がいかなる負荷となるかをも考慮して,妊娠・分娩・育児を一連のものとしてとらえていかなければならない。われわれは諸種の医学的検査によるその評価については別稿5)6)にも発表したことであり,ここでは,いわば母性保健の立場からこの問題を考えてみたい。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.