Japanese
English
特集 右心をめぐる諸問題
三尖弁閉鎖不全症の病態生理—臨床および動物実験よりの考察
Pathophysiology of Tricuspid Insufficiency:Clinical and Experimental Studies
高畠 豊
1
,
飯塚 昌彦
1
,
中西 淳雄
1
,
伊藤 巌
1
,
安田 寿一
1
,
坂本 二哉
1
,
真島 三郎
1
,
下村 克朗
1
,
上田 慶二
1
,
小出 直
1
,
飯塚 哲司
1
,
杉下 靖郎
1
,
内田 康美
1
,
関原 成允
1
,
井上 清
1
,
小関 克彦
1
,
町田 喜久雄
1
,
諸岡 成徳
1
,
伊藤 梅乃
1
,
張
1
,
吉川 純一
1
,
大久保 重義
1
,
村尾 覚
1
Yutaka Takabatake
1
,
Masahiko Iizuka
1
,
Atsuo Nakanishi
1
,
Iwao Itoh
1
,
Hisakazu Yasuda
1
,
Satoru Murao
1
1東京大学医学部第2内科
12nd Dept of Int. Med., Faculty of Med., Univ. of Tokyo
pp.923-930
発行日 1973年10月15日
Published Date 1973/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202544
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三尖弁閉鎖不全症(以下TIと略す)に関しては遠く1836年Benson1)は剖検により確認されたTI症例の頸静脈の収縮期搏動が特異的であることを認めているという。また1868年にはDuroziez2)はTIの特徴的な症状として,剣状突起部の収縮期雑音,静脈圧の上昇,右房拡大,頸静脈の拡張と収縮期搏動,頬・口唇のチアノーゼ,肝腫大・肝搏動,腹水・下腿の浮腫などをあげており,本症に対する認識はかなり古いといえよう。
また一方TIがリウマチ性弁膜症に合併する頻度はCoelho3)は620例のリウマチ性弁膜症例中で20%に認め,Weber4)は19%,Braunwaldら5)は100例の僧帽弁置換手術症例中28例にTIの合併を認めている。その他諸家の症例でもTIの合併率は20%前後であり,高率である。
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