今月の主題 意識障害への新しいアプローチ
診断のポイント
老人の意識障害
朝長 正徳
1
,
飯塚 啓
2
1東京都老人総合研究所臨床病理室
2東京都養育院附属病院内科
pp.40-41
発行日 1975年1月10日
Published Date 1975/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205731
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意識障害のある患者をみた場合,まず大脳原発の障害を考えることが多いが,老人病院では,この場合にまず全身性疾患の方も考えるのがふつうで,老人の意識障害の診断にはいくつかの注意が必要である.また,老人の場合,小児などと異なりしばしば家人の観察が十分でないこと,多くの場合いくつかの基礎疾患を有することなどを考慮して,慎重に判断を下さねばならない.
意識障害の原因は老若を問わず成書に記載されているとおりである.Bodechtelの教科書によれば,①外傷,②循環障害,③炎症,④腫瘍,⑤代謝障害,⑥中毒,⑦発作性疾患,に分けられる.老年者では,この内容に特徴があるといえよう.以下この点につき概説
する.
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