Japanese
English
症例報告
神経症状を呈したサルコイドーシスの1例
A case of sarcoidosis with neural manifestations
川口 博史
1
,
山田 夏恵
1
,
中嶋 弘
1
Hiroshi KAWAGUCHI
1
,
Natsue YAMADA
1
,
Hiroshi NAKAJIMA
1
1横浜市立大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Yokohama City University, School of Medicine
キーワード:
顔面神経麻痺
,
知覚異常
,
皮下結節
Keyword:
顔面神経麻痺
,
知覚異常
,
皮下結節
pp.745-747
発行日 1998年8月1日
Published Date 1998/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902636
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
種々の末梢神経症状を呈したサルコイドーシスの1例を経験した.症例は58歳女性.ぶどう膜炎,肺門リンパ節腫脹とともに,主に四肢に皮膚・皮下結節を多数認めた.血清アンギオテンシン転換酵素は高値.大腿の皮下結節から組織学的に診断し,経過観察していたところ,側腹部に一過性の疼痛がみられ,さらに左末梢性顔面神経麻痺を合併した.筋電図で顔面神経潜時の軽度延長,左眼輪筋の軽度の神経原性変化が認められた.メコバラミンの内服を開始し,約1か月で症状は消失した.その後も体幹,大腿の皮膚の異常知覚,しびれなどが時々出現しているが自然に軽快する.サルコイドーシスの神経症状として,顔面神経麻痺はしばしばみられるものであるが,皮膚科領域からの報告はあまりなく,ここに報告した.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.