今月の主題 神経内科の動き
注目されている神経病
SLEに伴う神経症状
室根 郁男
1
1新潟大脳研神経内科
pp.1426-1427
発行日 1974年11月10日
Published Date 1974/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205657
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SLEはconnective tissue diseasesの代表的疾患とされている.しかし,最近の本症の免疫化学的検索により,細胞オルガネラ,および各臓器に対する自己抗体の存在が指摘されるに至った1).したがって,臨床的立場でも本症とdysprotenemia,immune deficiency diseases,さらにはlymphoma,myasthenia gravis,pure red cellanemia,dermatomyositis,Sjögren's syndrome,およびlupoid hepatitisなどの諸疾患との相互連関も問題となっている2).かかる事実からも,その病像は多面的で,広いスペクトルを有するものと考えられる.したがって,SLEの診断についても再検討と整理が改あて問題とされよう.
かかる時期に,American Rheumatism Association(ARA)により,疫学的surveyで,治療上の必要からではあるが,本症の「診断基準」が発表されたこと3,4)は時宜を得た試みであるといわなくてはならない.参考までにこの「診断基準」をあげておく.
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