連載 皮膚科×アレルギー膠原病科合同カンファレンス・19
SLE患者の顔面皮膚症状
岡田 正人
1
,
衛藤 光
2
1聖路加国際病院アレルギー膠原病科(SLE,関節リウマチ,小児リウマチ)
2聖路加国際病院皮膚科
pp.1886-1890
発行日 2013年10月10日
Published Date 2013/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107055
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後期研修医(アレルギー膠原病科) 今回の患者さんは,20歳の女性です.2年前に大学進学のため上京されてから当科を受診されています.発症は高校生の時で,遷延する発熱と全身性のリンパ節腫脹で医療機関を受診し,抗核抗体陽性,抗dsDNA抗体陽性,光線過敏,discoid疹などから全身性エリテマトーデス(SLE)の診断で,プレドニゾロン0.5mg/kgにて治療され軽快しています.転院時にはプレドニゾロンは10mgまで減量されていました.初診時の皮膚病変の写真がありますので,解説をよろしくお願いします.
後期研修医(皮膚科) 初診時の皮膚所見ですが,鼻尖部,頬部,耳輪下方,耳甲介に母指頭大から大豆大までの浸潤の強い暗赤色の紅斑が散在しています.境界は比較的明瞭で鱗屑は耳甲介と頬部では膜様を呈し,鼻尖部では点状から小葉状を呈しています.耳輪下方では鱗屑は軽度です(図1a~c).また手指には爪囲紅斑と小豆大の滲出傾向の強い紅斑が散在しています(図1d).顔面,耳甲介の皮疹は円板状エリエテマトーデス(discoid lupus erythematosus:DLE)型紅斑,耳輪と手指の皮疹は凍瘡様紅斑を考えました.
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