特集 これだけは知っておきたい治療のポイント
IX 血液・造血臓器
3.薬剤使用のコツ
止血剤の選択と使い方
滝川 清治
1
,
加藤
1
1名市大第2内科
pp.1900-1902
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205157
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出血は血管が破綻し血液が血管外に流出することをいうが,正常な個体では血小板の粘着凝集,次いで血管収縮物質および凝固因子の放出が起こり,一方,組織因子による血中凝血因子の活性化,これに伴う線溶の活性化が関与して止血および損傷の修復がなされる.溢出する血液の圧力がこのような機転の働く余地のないほど強い外科的出血は別として,これらの機能が互いに密接にバランスを保ち正常状態を維持している.この機構のいずれかに病的状態があるときは互いに他系にも影響して出血素因が形成され出血しやすく止血しがたい状態となる.最近一般に用いられる止血剤は表の如くであるが,いずれも単独で目的を果し得るものでなく,病態に応じて種々の薬剤を使い分けることが必要である.以下,出血の原因別にその対策について述べる.
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