特集 これだけは知っておきたい治療のポイント
IX 血液・造血臓器
2.白血病,顆粒球減少症の治療
抗白血病剤の使いかた
衣笠 恵士
1,2
1都立駒込病院内科
2東京大学第3内科
pp.1892-1893
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205153
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最近10年間に数多くの抗白血病剤が市販されるようになり,その中には投与方法も比較的簡単で,末梢血液中の白血病細胞を減少させる効果がほぼ確実に期待される薬剤も少なくない.したがって従来は専門家に送られていた患者も,最近では各病院で加療される傾向が一般になりつつある,例えば,現在最も広く用いられている6MP,プレドニン併用療法を例にとると,成人の急性骨髄性白血病(AML)の場合,寛解状態を期待できるのは約10%の症例で,高々20%どまりである.
他の例では,たとえ臨床症状は改善され,末梢白血球数は減少しても,白血球の百分比で芽球の占める率は余り変化せず,骨髄所見はほとんど不変のことが多い.患者の平均生存期間の延長も余り期待できない.
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