治療のポイント
抗真菌剤の使いかた—アンホテリシンBを中心に
池本 秀雄
1
1順大内科
pp.1621-1623
発行日 1971年10月10日
Published Date 1971/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203867
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
診断が先決,ただし治療的診断は困難
真菌症,ことに内臓を侵す深在性真菌症は,特殊な病型は別として,診断が困難なことが少なくない.細菌感染症の場合は,病原的診断がつかなくても,いくつかの病原菌を想定した上で,化学療法を比較的容易に行なうことができるのに反し,深在性真菌症ではこれができない.つまり,治療的診断ができるほど抗真菌剤は低毒性ではない.
ほぼ確実に診断されることが,治療を行なう上に欠くことのできない前提条件となるわけであるが,免疫学的診断が進歩したとはいえ,なお診断はむずかしい.肺ムコール症,アスペルギルス肺炎,肺カンジダ症,真菌性心内膜炎などがよい例である.
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.