今月の主題 白血病—最新の概念と治療
治療
新しい抗白血病剤
中村 徹
1
,
上田 孝典
2
Toru Nakamura
1
,
Takanori Ueda
2
1福井医科大学・第1内科
2京都大学医学・第1内科
pp.1899-1901
発行日 1981年11月10日
Published Date 1981/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217401
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白血病は,悪性腫瘍のなかでも化学療法が比較的よく奏効する疾患であり,種々の抗腫瘍剤が,一定の投与スケジュールにより使用されてきた.これらの薬剤は,その種類によって奏効しやすい病型が異なり,急性非リンパ性白血病に対してはDCMP療法(Daunorubicin,Cytosine arabinoside,6MP,Prednisolone),急性リンパ性白血病に対してはVP療法(Vinca alkaloid,Prednisolone),慢性骨髄性白血病に対してはBusulfanやDibromomannitolなどが比較的よく用いられている.
その結果,急性白血病の寛解率および生存期間は近年著明に改善されたが,まだ決して満足すべき状態にあるとはいいがたい.その理由として,これらの薬剤が急速に不活性化されたり,また骨髄抑制をはじめとする重篤な副作用を有するなどの問題点を有し,一定量以上の薬剤を投与することが困難であるため,体内に残存する白血病細胞を十分減少させ得ない点をあげることができる.
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