臨床家の薬理学・12
ⅩⅡ.抗がん剤,抗白血病剤
今井 昭一
1
1新大・薬理学
pp.2285-2286
発行日 1972年12月10日
Published Date 1972/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204522
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細菌感染に対する抗生物質の成功が刺激となって,哺乳類の細胞の無制御な増殖も化学物質によって抑制できるのではないかと考えられるようになり,そのような物質を求めて研究が盛んに行なわれたが,現在までのところ細菌に対する抗生物質の場合のような選択的な作用を癌細胞に対してもつ薬物は発見されていない.
腫瘍の化学療法に用いられる薬物の多くはきわめて毒性が高く,腫瘍組織のほかにも成長の早い細胞におしなべて作用する.また,癌や肉腫よりは白血病の治療にはるかに有効である.
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