特集 これだけは知っておきたい治療のポイント
VI 糖尿病・代謝
5.その他の栄養および代謝異常
ビタミン過剰症に対する治療のポイント
阿部 達夫
1
1東邦大第2内科
pp.1792-1793
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205108
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ビタミン過剰症はほとんどすべてが医原性疾患であるといってよい.ことに脂溶性ビタミンは吸収されたあと排泄がほとんどないために,異常に蓄積して過剰症を起こす.この中でビタミンDによるものが最も多く,ビタミンA過剰症がこれにつぐ.ビタミシKによる過剰症は,水溶性K4が広く使用された時代に,新生児においてK4過剰投与により赤血球の溶血が亢進し,過ビリルビン血症から核黄疸を起こす危険もあった.しかしその後天然型K1が使用されるようになって,この副作用は問題にされなくなった.
水溶性ビタミンは一般にその排泄はきわめて早く,大量を使用してもほとんど副作用は認められない.ただまれにB群ビタミンの過剰投与によって他のビタミンの欠乏症状をみることがある.
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