特集 これだけは知っておきたい治療のポイント
VI 糖尿病・代謝
1.糖尿病治療の問題点
糖尿病患者の食事を外来でどう指導するか
堀内 光
1
1済生会中央病院
pp.1758-1759
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205093
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糖尿病食事療法の考え方
外来で初診の糖尿病患者と問答していてよく聞かされることであるが,糖尿病の疑があるといわれて米飯を半分以下にし,砂糖や菓子は一切とらぬようにした.一般の副食物は普通にとっており,ビールや日本酒は止めてウイスキーにしたというようなことがある.糖尿病治療の目標を尿糖の消失においた往年の考え方がまだそのまま残っている影響である.しかし現在は尿糖陰性化を目標とするのではなく,糖尿病病態のより本質的な所見と考えられる体内のインスリン作用の不足の解消を目ざして治療内容を工夫している.
そのためにはまず1日摂取総カロリーをきめる.患者個人が日常生活のできる最少カロリーをもってこれに当てる.一般に成人,事務職で標準体重毎kg25〜30Calである.そして総カロリーを各栄養素に配分し,さらにビタミンやミネラルも不足のないよう食品を選択する.
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