研究者とともに
「糖尿病患者の食事指導に関する事例研究」をめぐる検討
波多野 梗子
1
,
粟屋 典子
2
,
岡田 幸子
3
1神奈川県立衛生短期大学
2虎の門病院内科
3三重県立大学高看学院
pp.218-247
発行日 1972年4月15日
Published Date 1972/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200286
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
看護研究だけでなく,一人で研究をやりとげることはたいへんなことである。この研究者は,看護教育にたずさわりながら,およそ1年半をかけて,こつこつとじみに調査をし,筆算で分析をなさったという。たいへんな努力だったことに敬服するほかはない。しかし,その研究をひとまずまとめ終って,この座談会の中に出てくることばの端々から,この研究者が研究をまとめ終えた満足感と,これからの研究への熱意をうかがい知ることができる。
この研究は,残念なことに,あまり多くのことを目的とした(あるいは目的が限定されていなかった)ために,研究の焦点がぼけたきらいがないわけではないが,いくつかの看護についての重要な知見が含まれているように思われる。特に医療チームの中での看護婦への役割期待と役割認識について,この研究のもつ意義は大きいであろう。もちろん,この研究の対象や内容の限定から,この研究の結果に特殊的にあらわれ,一般化されない部分もないとはいえないであろうが,これをさまざまな角度から追試することによって,これらの知見がいっそうはっきりするものと期待している。
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.