今月の主題 膵疾患診断法
診断
膵疾患の診断のすすめ方
水野 義晴
1
1阪大第2内科
pp.1242-1243
発行日 1973年10月10日
Published Date 1973/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204916
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与えられた主題にしたがい,膵疾患を想定するまでの段階を中心に述べてみたい.紙面の都合もあり,系統的に話をすすめることは困難なので,日常臨床で遭遇する代表的な膵疾患,急性,慢性の膵炎,膵癌などについて留意すべき点をいくつかあげて責を果たしたいと思う.
どの疾患領域の診断でもそうであるが,膵は腹腔内での位置や大量の消化酵素の含有などの特殊な条件のために検査に際しても種々の制限がつきまとうので,診断に際し問診から理学的所見,諸検査成績までを総合的に考察して判断をくだすことがとりわけ重要である.また慢性膵炎や膵癌については診断上の問題点が多く残されている現状であり,自らの経験をふりかえって記述する諸点は批判の余地が多かろうと思う.諸氏の叱正を頂きたいと願うものである.
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