今月の主題 膵疾患診断法
膵臓の基礎知識
比較的よくみられる膵疾患
安部 宗顕
1
1国立病院九州がんセンター
pp.1240-1241
発行日 1973年10月10日
Published Date 1973/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204915
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最近,膵臓への関心が高まるとともに各種膵疾患の経験例は全国的に増加しつつあり,従来この領域の疾患はわが国では非常に稀であるとされてきた認識は大きく改められねばならなくなった,小田ら1)が昭和44年にまとめた膵疾患の全国集計と,九州膵研究会2)が同地区11施設の昭和41年から5年間の膵疾患入院状況を調査した結果を参考にすると,膵疾患の頻度は入院患者総数の約1〜2%を占めている.このなかでは膵癌がもっとも多く,最近では慢性膵炎がこれにつぎ急性膵炎が第3位となっており,他の膵疾患は稀である.本稿では,わが国において比較的よくみられるこれら膵疾患の最近の頻度や臨床像の2,3について述べてみたい.
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