カラーグラフ
目でみる刺激伝導系の病理
岡田 了三
1
1順大・循環器内科
pp.1836-1837
発行日 1972年9月10日
Published Date 1972/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204438
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症例1
症例1は生前より診断された先天性房室ブロックを持つ,共通戻室口を伴う部分的大血管転位症である.心電図は完全房室ブロックと左房性Pを示した.洞結節は左右心房に対称的に存在しやや小型であった.房室結節(AVn)は後方に偏位し(A),His束はその中枢端で完全に途絶(B)していた.途絶部より末梢は再び集合してHis束(His)をつくり(C),左脚後放線(LBBp),同前放線(LBBa)をほぼ正常に分岐したのち,共通房室口の下縁に沿って大きく迂回した長い右脚(RBB)を形成していた.この途絶部位は房室結節とHis束が発生学的に別々に生じて,のちに連結するといわれている部位よりやや末梢である.
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