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生体とリズム
佐々木 隆
1
1熊大・体質研生理学
pp.1830-1831
発行日 1972年9月10日
Published Date 1972/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204437
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リズムとサイクル
生体があらわす周期的現象には,脳波・呼吸のような秒程度の周期のものから,睡眠と覚醒のような日単位のもの,卵巣周期のような月単位,あるいは季節に対する適応現象のような年の桁のものなど広範囲にわたり,またその現象の発現の場も,細胞や器官のレベルから一個の独立した生物体,あるいはこのような個体の社会的集団にいたるまで多岐多様である.また対象となる周期的現象をみるにあたっては,2つの立場が考えられる.すなわち1つは反復生起現象の量的変化に着目するもので,いわゆるrhythmはこれにあたる.これに対して量的または質的な状態の変化を生起の順序との関連のもとにみる場合には,cardiaccycle, ovarian cycleというような用語から感じとられるように,輪廻という色彩が濃厚である.この観点がさらに強調されると,TCA cycleのように,反復ということよりも,むしろその順序の方に重点がうつることになる.
生体があらわす各種のリズムがすべて共通な同一の機構によって発現しているわけではないが,リズム一般の生成機序を理解する第一歩として,現在もっとも究明が進んでいる24時間リズムについて述べることにする.
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