Japanese
English
綜説
心臓刺激伝導系の収縮と機能
Contractility and function of cardiac conduction system
田村 禎通
1
,
長瀬 教夫
1
,
赤池 唯人
2
,
鹿児島 彰
3
Yoshiyuki Tamura
1
,
Norio Nagase
1
,
Yuito Akaike
2
,
Akira Kagoshima
3
1国立療養所東徳島病院内科
2国立善通寺病院内科
3徳島大学医学部第二内科
1Department of Internal Medicine, National Sanatorium Higashitokushima Hospital
2Department of Internal Medicine, National Zentsuji Hospital
3Second Department of Internal Medicine, School of Medicine, University of Tokushima
pp.321-327
発行日 1990年4月15日
Published Date 1990/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900124
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はじめに
心臓刺激伝導系を構成する特殊心筋は,刺激生成と伝導という電気生理学的特性を有し,その解剖学的配列,組織学的形態,電子顕微鏡的超微細構造は作業心筋とは明らかに異なっている1〜3)。さらに生化学的にも作業心筋とは異なる種々の特性が報告されている4)。とくに特殊心筋のミオシンは,アイソザイムの構成が作業心筋とは異なり,さらに刺激伝導系におけるこれらの分布が均一ではないことが明らかにされている。
刺激伝導系の機能に関して,伝導系自身の収縮がどのように関与しているかについては,従来あまり注目されていないが,刺激の生成ならびに伝導とも収縮の果たす役割について,興味ある成績が報告されている。本稿では,伝導系の収縮機能に焦点をあて,収縮タンパクに関するわれわれの成績も混じえて最近の知見を紹介したい。
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