特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
I.循環器系
6.虚血性心臓病の診かた
中間性冠状(動脈)症候群
本田 正節
1
1国立東京第二病院・循環器科
pp.889-891
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204143
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狭心症と心筋硬塞の中間型
冠状動脈に起こる疾患の代表として比較的予後のよい狭心症と,冠状動脈の閉塞により心筋に壊死をきたして,重篤な症状と悪い予後とを示す心筋硬塞症とがあることは周知のごとくである.
狭心症の症状は主として労作のさいに前胸部に痛みとか絞扼感が起こり,痛みは上肢のほうに放散するがこの発作の持続は15分以内であり,労作をやめて安静をたもつとかるくなるし,またニトログリセリンがよく奏効する.発作時には心電図でSTの下降がみられる.心筋硬塞症では痛みの程度が激烈であって持続時間も長く,冷汗,嘔吐,血圧の急激な降下とショックとを伴う.痛みにはニトログリセリンは効かず,モルヒネを使用せざるをえない.心電図では硬塞に面した誘導でSTの上昇が起こり,ついで幅の広い深いQが出現する.また赤沈値の促進と血清GOT, CPKなどの著明な上昇,白血球増多をきたす.
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