一般医のための救急診療のコツ
冬山の遭難患者
高島 巌
1
1北大皮膚科
pp.1786-1787
発行日 1971年11月10日
Published Date 1971/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203909
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冬山の遭難で問題になるのは,いうまでもなく凍仮死と凍傷とである.同じく寒冷による障害でありながら,両者の発症機序には,いささかおもむきを異にする点がある.すなわち,凍傷では,組織凍結点以下の温度(-4〜-5℃)が作用して局所的に種々な深さの組織壊死をきたすものであり,凍仮死では,凍結点よりはるかに高い温度で生体の機能が徐々に低下し,組織の窒息をきたして死に至るものとされる.
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