診断のポイント
プロトロンビン時間とトロンボテスト
糸賀 敬
1
1長大検査部
pp.1337-1339
発行日 1971年8月10日
Published Date 1971/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203794
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Prothrombinは肝臓において生成されるが,この生成にはビタミンKの存在が必要である.ビタミンKの欠乏によって血漿中のProthrombinが減少し,血液凝固の第2相の機序に障害がもたらされると出血傾向をみるに至るが,Prothrombin time(Quick 1段法)やThrombotestの測定値が延長する病態としては,先天性(遺伝性)Prothrombin欠乏症をはじめ,第VII因子欠乏症,第X因子欠乏症,第V因子欠乏症,後天性のものとして新生児出血症,肝疾患,消化器疾患,ビタミンK欠乏症,抗凝血薬投与時の場合などがあげられる.
本検査で異常を認めた際には,上記凝固学的疾患群のいずれであるか鑑別するために,さらに部分的トロンボプラスチン時間の測定や,Biggsらのトロンボプラスチン生成試験などを実施しなければならない。
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.