特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
IV.肝・胆・膵
1.主な肝機能検査
プロトロンビン時間とトロンボテスト
糸賀 敬
1
1長崎大検査部
pp.1078-1081
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204208
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Prothrombinは肝臓において生成されるが,この生成にはビタミンKの存在が必要である.ビタミンKの欠乏によって血漿中のProthrombinが減少し,血液凝固第2相の機序に障害がもたらされると出血傾向をみるに至るが,Prothrombintime(Quick 1段法)やThrombotestの測定値が延長する病態としては,先天性(遺伝性)Prothrombin欠乏症をはじめ,第VII因子欠乏症,第X因子欠乏症,第V因子欠乏症,後天性のものとして新生児出血症,肝疾患,消化器疾患,ビタミンK欠乏症,抗凝血薬投与時の場合などがあげられる.
本検査で異常を認めた際には,上記出血性素因をきたす疾患群のいずれであるか鑑別するために,さらに部分的トロンボプラスチン時間の測定や,Biggsらのトロンボプラスチン生成試験などを実施しなければならない.
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