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タバコの有害指定は世界的風潮
1971年6月21日の雑誌タイムは,カナダでは,紙巻タバコ広告の一切が72年1月1日から禁止になると報じている,前週にその法案が,カナダ政府によって議会に提出され,法案通過は確実という.この法案によると,すべての紙巻タバコの包装には,タール・ニコチン量を印刷し,「警告:健康に対する危険は喫煙量が増えるほど高くなる.肺の中への吸入をさけよ」(Warning:Dangerto health increases with amount smoked. Avoidinhaling)紙巻タバコの一本一本に真中に線を印刷し,それ以上すうと,タール・ニコチンの濃度が高くなると警告するよう指示されている.この法案で,国はタール・ニコチン量の基準をきめる権限をもつことになる.そうなるとカナダのタバコは外国タバコより売れ行きが落ちると業者は心配しているが,10万ドル以下の罰金,5年までの体罰,または両方という罰則があるので,違反者はまず出ないであろうと報じている.
アメリカでは,1970年11月から従来の注意(Caution)にかえ強い警告(Warning)という表現をとり,すべての紙巻タバコの包装に「警告:公衆衛生局医務長官は喫煙はあなたの健康に危険だと結論を下した」と表示されている.そして警告文を,タバコの包装だけではなく,新聞,雑誌のタバコ広告に表示するよう,米連邦取引委員会はタバコメーカーに求め,もしこれを記入しない場合は,不正広告とみなして訴える計画という(1971年6月21日の朝日夕刊).1971年1月にテレビでのタバコ広告が禁じられたため,新聞,雑誌での広告が激増する傾向にあるための規制という.
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