医学の話題
タバコと肺ガン
平山 雄
1
1公衆衛生院疫学部
pp.46-48
発行日 1958年1月1日
Published Date 1958/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201405
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肺ガン死亡は戦後の9年間に4倍にも増加した.昭和30年の死亡数は2711名だが,解剖統計からみると,その3倍位は存在しているらしい.
現在,肺ガンを発生させ得るものとして論議されているのは,職業,喫煙,都市環境の三者であるが,最近の世界各国における肺ガン激増の主原因をなすものと思われる.肺ガンは特殊の職業(タール,アスベスト,クローム化合物,ニツケル化合物,放射性物質を取扱う職業)に多発することは,明白な事実であるが,逆に発生する肺ガン患者の大部分にこれら職業性の原因が存在しているかというと,そうでない.
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