今月の主題
<話合い>タバコと病気—ヘビースモーカーと慢性気管支炎—冠動脈疾患とタバコ—動脈硬化とタバコ—高血圧とタバコ—胃腸疾患とタバコ
阿部 正和
1
,
佐藤 徳郎
2
,
笹本 浩
3
,
高橋 忠雄
1
,
太田 邦夫
4
1慈恵医大内科
2公衆衛生院生化学
3慶大内科
4東大病理
pp.1000-1007
発行日 1965年7月10日
Published Date 1965/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200897
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阿部(司会) イギリスの生物学者のホールデンがいみじくも,「喫煙は,人類の文化に深刻な生物学的影響を及ぼした大発見の1つである」といつておるように,喫煙は,われわれの生理機能になんらかの影響を及ぼしていることは事実です。ぎようは喫煙が疾病の発生にどの程度関係があるのか,また患者に喫煙を許可する際に,どんなことを考えておいたらいいのか,こういうことをお話願いたいと思います。最近出されたアメリカ公衆衛生局のリポートとイギリスの内科医師会のリポートのどれも喫煙と健康に関する問題を,一応あますところなく論じていますが,日本にはそういう権威のあるリポートはない。しかもドクターの立場で,患者に喫煙の相談をもちかけられてもあまり根拠のない発言をしているのが,実状だと思います。
最初に呼吸器とタバコの問題から入りたいと思いますが,なんといつても肺ガンとタバコはとくに注目された問題です。
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