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Current Abstracts
栄養教育
Nutrition Education
George v. Mann
1
,
浦田 卓
1U.S.A.,Food and Nutrition News.
pp.849
発行日 1971年5月20日
Published Date 1971/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203677
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アメリカでは,貧乏のせいで栄養久調にかかる人よりも栄養に関して無知と誤報のために栄養失調に陥っている人のほうが多いのである……栄養の悪い人はたいてい,食物の選択がよくない.これは,まぎれもない事実である.栄養学者が調査旅行に喜び勇んで出かけるさいには,家の前庭に自動束をおく,客間にテレビをかざる,冷蔵庫にビールを貯えるといった流行も,抜けやすい頭髪,太鼓腹,物悲しき目付きなどと同じレベルで,観察して然るべきである.だのに,これらが看過されているのはおそらく,栄養夫調の説明としては貧乏のほうが俗受けしやすいからであろう.もし万一にも貧乏が原因だとしたら,アメリカのような潤沢な社会では栄養失調の解決は容易であろう.つまり,金さえあればよいのである.しかし貧乏が主な原因でないとすれば,客種の手当てや食料切符をもってしては栄養失調もわれわれの良心も,救われることはないはずである.栄養の教育はそう容易には達成できない.貧乏こそ栄養の主原因であると唱道する人びとは,もう1つの強い訴えをする.すなわち,構成員の10パーセントを貧困状態に放置するような経済組織は悪であり,したがって打破すべきであると.かくして,栄養失調と貧乏が,政治的な武器として行使される—こういったキャンペーンのテーマソングは"飢えたるアメリカ"である.
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