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L-ドパで早期治療すれば,パーキンソン病による不能は予防できる
浦田 卓
pp.714
発行日 1971年5月20日
Published Date 1971/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203641
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パーキンソン病患者の脳底神経節は,ドパミンが著明に欠乏している.L-ドパを経口投与すると,患者の80パーセントはかなり改善するが,10〜12パーセントの患者はさほど著明な改善をみない.シカゴのノースウェスタン大学医療センターで,36歳から78歳までの男女200名以上の患者が治療をうけた.その大部分は,両側性にかなり強く侵されていたが,なかには少数ながら片側がわずかに侵されたものもあれば,車椅子またはベットから離れられず,両側からかかえられても歩行のできないものもいた.患者はすべて,パーキンソン症候群の典型的な徴候,つまり振戦,硬直,無感動症,マスク状の顔貌,連合運動の消失を示していた.
治療に対する反応は,老人の患者より若い患者のほうがより速かでより完全であった、数名の中年患者における治療の結果は目覚しく,自宅ならびに職場でのいろいろな活動を回復することができた.L-ドパを病気の初期にもちいれば,パーキンソン病による不能を予防することができるのみならず,不能に陥った患者もまたしばしば回復して,有用な働きをすることができる.
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