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精神病棟は解放できる
浦田 卓
pp.771
発行日 1971年5月20日
Published Date 1971/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203657
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現在,精神病院には長期入院患者が78,000名もいるが,そのうちの大部分は,退院させて病院の外で治療したほうがよいのではないか.これは,新設の国立病院諮問機関の長であるAlex Baker博士の言葉である.そういった提案を実行するとともに,精神障害者に対してより手厚い看護を与えるには,もちろん莫大な費用を必要とするが,これも,いまから10年か15年もすれば確保できるようになる公算が大であると,博士はイーストボーンで開かれた王立保健協会でのべたのである.
しかし,それには,国民側と医師側とが態度を変更することも,必要であると,博士はつけ加える.2年またはそれ以上精神病院に入院している長期在院患者78,000名のうち,そのほとんどは,病院の昼間医療サービス—そこで彼らは,正常な地域社会生活のあるいくつかの側面にタッチすることができるのである—において,より良い看護が受けられたのではなかったか.
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