日本人の病気
膵疾患
本間 達二
1
1信大小田内科
pp.452-454
発行日 1971年4月10日
Published Date 1971/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203575
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膵の疾患で臨床上扱うことの多いのは急性膵炎,慢性膵炎,膵癌である.そのほかにも,膵嚢胞,インシュローマ,Zollinger-Ellison症侯群など興味ある症状をもつものもあげられるが,頻度としては稀なものであり,諸外国とくらべて日本でとくに頻度が問題となるものではない.したがってここでは,急性膵炎,慢性膵炎,膵癌について記すことにする.
1968年(昭和43年)に筆者らが全国の医療機関87施設についてアンケート調査した結果では,上の3者の最近の頻度は図1にみる通りである.合計すると,膵疾患患者は入院患者100人について1人強となり,それほど稀なものではない.入院患者数に占めるこれらの疾患の患者数の百分比の推移をみると,急性膵炎はほぼ横ばい,膵癌は徐々に増加,慢性膵炎は昭和40年を境としてかなり増加している.
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