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特集 患者満足度を高める糖尿病診療
第1部 外来で患者満足度を高める
こんな患者を診るとき
膵疾患による,あるいは膵疾患を伴う糖尿病の血糖コントロール
How to deal well with blood glucose control in diabetic patients associated with pancreatic disease
三浦 順之助
1
1東京女子医科大学糖尿病センター
キーワード:
急性膵炎
,
慢性膵炎
,
膵切除後
,
bihormonal abnormality
,
インスリン治療
Keyword:
急性膵炎
,
慢性膵炎
,
膵切除後
,
bihormonal abnormality
,
インスリン治療
pp.230-231
発行日 2005年2月15日
Published Date 2005/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100676
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- Abstract 文献概要
Bihormonal abnormalityと血糖コントロール
慢性膵炎や膵切除後糖尿病ではグルカゴン分泌も低下していることを念頭におきながら血糖コントロールを.
外来指導の実際
急性膵炎では,発症48時間以内で70~88%に高血糖を認めますが,治癒後糖尿病が残存する頻度は2~3%ですので,糖尿病治療を継続する機会は多くはありません.
慢性膵炎での耐糖能異常は約70%に上り,成因別ではアルコール性がもっとも多く,特発性,胆石性となっています(Tips 1).1型糖尿病の場合は,組織学的病変がラ氏島に限局されるのに対し,慢性膵炎による膵性糖尿病では外分泌腺の病変が先行し,その後ラ氏島に病変が波及するため耐糖能異常を引き起こすと考えられます.よって耐糖能異常の主因はインスリン分泌不全であり,インスリン療法が不可欠ですが,グルカゴン分泌不全も合併していることを考慮して治療していく必要があります.インスリンは基本的には一日3~4回の頻回投与法を行う必要があります.同時に慢性膵炎によく認められる腹痛,消化吸収障害による脂肪下痢や蛋白質消化能の低下にも対処が必要です.
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