日常検査のすすめかた
浮腫
河野 均也
1
1日大臨床病理
pp.456-457
発行日 1971年4月10日
Published Date 1971/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203576
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全身性浮腫の成因
浮腫とは組織間隙におこる病的な体液の貯留を意味し,通常皮膚におけるものをいうが,胸水や腹水の貯留もほぼ同様の意義を有し,種々な疾患に際して出現する重要な症状の1つであり,その原因を追求することは治療を行なうにあたってきわめて大切なことである.浮腫には腎疾患や肝疾患などに際してみられる全身性の浮腫と局所性炎症性浮腫のごとく局所的浮腫の2つがあるが,ここでは全身性浮腫のみについてのべる.
組織間液の量は正常では主として毛細管圧,血漿膠質浸透圧,および組織圧の相互の平衡と腎臓における水とNaの代謝などにより調節されている.したがって浮腫の成因としては,
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