診断のポイント
サルコイドージス
長沢 潤
1
1東大第3内科
pp.427-430
発行日 1971年4月10日
Published Date 1971/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203568
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サルコイドージスもはじめは稀有な疾患として,しかも皮膚科医の興味の対象にしかすぎなかったが,1939-1945年にわたる今次の大戦以後,欧米においても,本症は医学のほとんどすべての分野でみとめられる多彩な症状をもった疾患で,しかも比較的一般にみられるものと考えられるようになってきた1).このような傾向は勿論そのままわが国にもあてはまるものであり,特に1954年以後胸郭内病変が注目され,ついで眼など,その他の器官のサルコイドージスが報告されて,本疾患は明確に全身性疾患として考えられるようになった2)3).このような趨勢を反映して本疾患に対する関心もたかまり,その報告例も数を増してきており,本邦におけるサルコイドージスの実態調査も着々と進められている現状である.
したがって私ども一般診療にたずさわるものも,本疾患の専門家であるか否かはとわず,まず一応の知識をもって対処しなければならない.現に私どもの関係している年間内科診療患者数わずか2800名前後という学内診療機関においてさえ,昨年度サルコイドージスと思われる2症例を経験しており,本症は比較的身近な疾患となってきている.
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