臨時増刊特集 診断基準とその使い方
VII.膠原病・免疫・アレルギー疾患
サルコイドージス
泉 孝英
1,2
1京大結核胸部疾患研
2京大内科第2
pp.2056-2061
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207596
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概念
サルコイドージスの第1報はHutchinsonによる皮膚病変の記載(1869)である.病理組織学的には壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫(サルコイド)病変であることは1899年,Boeckによって記載されている.その後,Schaumann(1914)は同様の病変が皮膚だけでなく,全身のリンパ節,肺などにも認められる全身性疾患であることを明らかにした.本症の胸部X線所見を最初に報告したのはKuznitsky,Bittorf(1915)であり,Lofgren(1953)はBHL(bilateral hilar lymphoma syndrome)が本症の初発症状であることを明らかにした.
第二次大戦前後から,健康診断としての胸部X線撮影が普及するとともに,BHLのみのサルコイドージスが多数発見されるようになった.わが国でも,本症症例の50〜70%は健康診断時に無症状で発見されている.胸部X線写真で発見される症例が多いため,サルコイドージスは主として胸部領域の疾患として取り扱われているが,本質的にはあくまで全身性疾患である.
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