診断基準とその使い方
サルコイドージス
泉 孝英
1
,
西川 伸一
1
1京大結核胸部疾患研内科第2
pp.2178-2182
発行日 1976年12月10日
Published Date 1976/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206994
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サルコイドージスはHutchinsonによる皮膚病変の記載(1869)が第1報である.病理組織学的には,壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫(サルコイド)病変であることは1899年,Boeckによって報告されている.その後,Schaumann(1914)は同様の病変が皮膚だけでなく全身のリンパ節,肺などにも認められる全身性疾患であることを明らかにした.本症の胸部X線所見を最初に報告したのはKuznitsky,Bittorf(1915)であり,BHL(bilateral hilar lymphoma syndrome)が本症の初発症状であることを明らかにしたのはLöfgren(1953)である.
第二次大戦前後から,健康診断としての胸部X線撮影の普及とともに,BHLのみのサルコイドージスが多数発見されるようになった.わが国でも,本症症例の50〜70%は健康診断時に無症状で発見されている.このような状況のため,サルコイドージスは主として胸部領域の疾患として取り扱われているが,本質的にはあくまで全身性疾患である.
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